習志野オリジナル婚姻届

友子

2015年06月12日 15:40

 6月に結婚すると幸せになれるという欧州の言い伝え「ジューンブライド」にちなみ、習志野市は今月から、イラストなどをあしらったオリジナルの婚姻届を配布している。若者の定住促進や少子化対策として、市の若手職員の発案で始めた事業だ。市市民課は「結婚するカップルを迎えるとともに、改めて市への関心を持ってもらえれば」と期待を込める。

 婚姻届は、一定の様式を満たしていればデザインは自由で、全国どこの自治体へも提出できる。茶色の文字や記入欄が一般的だが、同市のオリジナル婚姻届はピンク色を基調とし、欄外にはハートや花のイラストがちりばめられている。男性が女性に花束を渡す場面の絵や、市のキャラクター「ナラシド♪」も描かれている。婚姻届は提出後は手元に残らないため、受理した場合に渡す記念の「結婚証」も用意した。

 発案したのは同課戸籍係の晴山紗希さん(20)。2年ほど前から窓口を担当する中で、「結婚という2人の門出を祝うために、市として何かできないか」と感じたという。数年前、結婚情報誌の付録だったピンク色の婚姻届が話題を呼んでいたこともあり、市独自の婚姻届を思いついた。課内の同僚らと検討を重ね、イラストは晴山さん自身が手がけた。

 同課によると、昨年度の市への婚姻届出件数は839件で、ここ数年は横ばいという。ただ、市の2013年度の人口推計調査では、今後数年間は宅地開発の影響で人口増が見込めるものの、19年の約17万3600人をピークに、その後緩やかな人口減少に向かうとしている。人口減少問題への早期対策が求められ、晴山さんは「定住者が増えるとともに、市の認知度アップにもつなげていければうれしい」と話している。