創成館強打でつかんだV 3人継投失点抑える
57校が出場した第97回全国高校野球選手権長崎大会は、創成館の悲願の初優勝で幕を閉じた。今回は、打撃力のあるチームが強打でねじ伏せる試合が目立ち、“打高投低”を印象付けた。また、ノーシード校の奮闘も注目された。今大会を振り返る。
県高野連の公式記録によると、大会全56試合のうち、5点以上取ったチームが勝った試合が43試合あり、打ち勝つチームが多かったことをうかがわせる。4強入りしたチームを見ても、優勝した創成館が5試合で33得点、準優勝の海星が37得点、4試合の佐世保実が23得点、長崎商が22得点を挙げ、1試合平均5~7点を奪っている。
ベスト4に顔をそろえたのは第1~4シードで、打撃力を背景に前評判通りの力を見せたといえる。ただ、8強には、ノーシードの3校が勝ち上がった。このうち島原農はシード校の清峰をコールド勝ちで破って8強入りを果たした。主戦・柴崎は最速142キロの直球を武器に4試合で計31回を投げ、9失点、42奪三振の快投でスタンドを沸かせた。このほか、1回戦で第8シードの諫早が壱岐に敗れる波乱もあった。
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4年連続の第1シードで出場し、ついに甲子園への切符をつかんだ創成館は、投打ともに戦力が充実していた。チーム打率は5試合の平均が3割7分4厘、本塁打5本と好調だった。特に決勝で勝ち越し本塁打を放った2番の嶋田は打率5割3分3厘、本塁打2本と常に得点に絡む働きで、勝利に貢献した。4番の鷲崎も、2本の場外本塁打を放つなど非凡さを見せつけた。投手陣では、サイドスローから丹念に低めを突く技巧派の藤崎、制球力のある水永、本格派の小坂の3人の継投で計41回を投げ、8失点に抑えた。甲子園でも、継投でどれだけ失点を抑えられるかが勝ち抜くポイントとなりそうだ。3人の球を受ける主将で捕手の大田のリードも楽しみだ。
夏の甲子園では、まだ優勝経験がない県勢だが、県大会の激戦を勝ち抜いた勢いのまま、夢の舞台での活躍が期待される。